全ての悩み原因は緊張かもしれない
私は、スポーツも下手で、歌も下手で、喋り下手で、なぜこんなに苦手なものばかりなんだろうとずっと悩んできました。
そのため悩みを解決するため、これまでジャンルを問わず様々な本を読んできました。
結局そのときそのときは解決しないことがほとんどなのですが、だんだんとそれぞれに共通したものに出会います。
その中でここ最近強く感じるのが、「緊張を解く」ということの重要性です。
私が何もできなかったのは、幼少期の経験が原因で「常に緊張した状態で生きてきたから」という点で共通していたのです。
筋肉が硬い人生
整体、カイロプラクティック、ストレッチに筋膜リリースと、これまで色々いってきました。
どこでも言われたのは、「全ての筋肉が硬い」ということです。
しかしどんなに通い続けても、自宅でストレッチを毎日しても、これが解消されることはありませんでした。
筋肉が硬いのは硬くしてるから
最近はまた新しい整体に行ったのですが、そこの先生はロシア格闘技システマの経験者でした。
システマはまさに「緊張を解くこと」を重要視している格闘技なんですが、そこで「常に緊張している」と助言をいただきました。
それまで筋肉が硬いのは物理的に硬くなってしまっていて、食事やストレッチで根気強く「質」を変えていかないと治らないものと思ってました。
しかしただ単に無意識に常に力を入れた状態だから硬いと言われました。
ということは脳が力入れるのやめれば一瞬で柔らかくなるんじゃ...?
試してみる
それまで太ももが本当にカチコチで、曲げても伸ばしても板のように硬い芯のようなものがありました。
学生時代に部活でマッサージしてもらったとき「え、力入れてる?」って言われたことがあるので、小さい頃からそうだったはずです。
それもあって生まれつきのものとも思ってたのですが、今回のこともあって1時間ぐらい次のことを試してみました。
- 足を伸ばして太ももを揺らす。(身体全体も太ももに合わせて揺れるぐらい全身脱力するイメージ)
- 太ももがゼリーになったような、押されたらふわっとめり込むようなイメージを頭に浮かべる。
するとこれがびっくりするほどの効果で、びっくりするぐらい柔らかくなりました!
(座ったときにこんなにお尻が椅子にめり込むの?と思ったほどです)
といっても物理的に筋肉が柔らかくなっただけで、前屈して手がついたり、開脚ですごく広がるというわけではありません。
純粋に力を入れてないときは筋肉が柔らかくなる体験だったのです!
可動域と柔らかさは別
これまでストレッチで筋肉を柔らかくすることを考えていたのですが、考え方が違ったことを思い知ります。
- 筋肉が常に物理的に硬いのは力が入っているからで、脱力の方法を覚える必要がある
- ストレッチは筋肉の可動域を広げるもの(筋肉が柔らかくなるものではない)
「身体が柔らかい」は筋肉が柔らかいと可動域が広い(柔軟性が高い)の2つの意味があって、それぞれ別だったってことなんです。
身体はトラウマを記憶する
ちょうどその頃、臨床心理士をやっている姉と会いました。
そこで姉が読んでいた本が身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法でした。
全部読んだ訳ではないのですが、簡単にいうと
- 緊張状態に入ると人は「闘争」「逃走」の状態に入る。
- その状態が続くと「凍結」「虚脱」の状態に陥り、心と身体が分断される。
- トラウマを克服するにはヨガなどで心と身体の接続を元に戻す必要がある。
という内容だと理解しました。
精神反応と身体反応
「闘争」「逃走」の状態は、反応として呼吸が浅くなり、身体の筋肉に力が込められます。
では「凍結」「虚脱」は何かというと、それが慢性化し常に筋肉が硬くなった状態なんじゃないかと推測しました。
つまり強いストレスが長い間かかることで筋肉に常に力が入った状態になり、それがトラウマと呼ばれるものなんじゃないかということです。
鶏と卵
身体の状態は心に密接に関係してるといいます。
たとえば恐怖を感じたとき呼吸が浅くなりますが、意識して深い呼吸をすれば恐怖から逃れられるということです。
ということは常に筋肉が硬いということは、常に心も緊張していると言えます。
自分自身リラックスしているつもりのときでも、リラックスできず緊張状態で生きてきたということです。
緊張すると何が問題か
スポーツ
私自身よく言われてきましたが、どんなスポーツでも動きが硬いはネガティブな意味で使われますよね。
実際にスポーツ選手の筋肉は柔らかいとも、よく言われます。
筋肉量やパワーは強くても、力が入ってなくリラックスということでしょう。
緊張とスポーツの動き
力を入れるのは、自然な動きに抵抗することに繋がります。
ボールを投げる時は力を抜いて鞭のようにしならせるべきで、筋肉の力で腕を固めるとスピードは出ません。
また常に力が入っていることは、出力のメリハリがついていないことでもあります。
脱力時に出力が0、全力で100なのと、脱力時も80、全力100なのでは、取れる動きも変わってきます。
私自身、筋肉が柔らかくなってから筋トレをしたときに、全然感覚が違って驚きました。
緊張とゾーン(フロー状態)
スポーツの世界にはゾーンという言葉がありますが、これは緊張と緩和がどちらも高いレベルにあるときに起こるそうです。
自律神経の活動からゾーンに入った状態を分析すると、交感神経、副交感神経がともに高まっている状態になります。
プロゴルファーが順天堂大学院で学んだ「成功する人は頑張らない」
プロ選手で緊張が大事という人はいますが、それは質の高い緩和ができているから言えることでしょう。
一般的に大会本番など過度に緊張しやすいので、スポーツで結果を出すためにもいかに緩和するかが重要だということになります。
コミュニケーション
コミュニケーションが苦手だと、誰かと対面するとすぐ頭が真っ白になってしまいます。
それに対して「この言われたらこう返す」のようにパターン的に対処する本も多く出ています。
しかしそういった会話は、必死に頭で考えることになり、さらに強い緊張を生みがちです。
演劇
書籍「緊張をとる」では、演劇と緊張の関係性が非常に強いことが語られています。
演劇の世界にはメソッド演技というものがあります。
これは登場人物に心の底からなりきって、劇中の出来事に対して感じた感情のまま演技することです。
たとえば登場人物の息子が亡くなって涙を流すシーンで、「とても上手な泣く演技をする」のと「本当に息子が死んだと思って心から涙を流す」のの違いです。
このメソッド演技においても、緊張を抜くことが非常に重要だと言われています。
それは、緊張を抜くことで素直に感情を感じることができるからです。
緩和とコミュニケーション
「あなたは、なぜ、つながれないのか」では、ひたすら緊張をとき、身体感覚を感じることを重要視しています。
緊張してると、周囲の状況や、自分の感情への気づきがえられません。
「最近忙しくて寝てなくて...」に対して「それは大変だね」と返すとします。
このときパターンとして返すのと、相手の感情を自分の中で再現して心から返すのでは、大きな違いがありますよね。
つまり人と向き合ったときに緊張せずに、自分の感情を感じ、それを言葉にすることがコミュニケーション能力なのです。
したがってコミュニケーション能力を向上させるためには、小手先のテクニックを磨くのではなく、自分の感情を感じられるように力を抜く必要があるわけです。
その他
そもそも血流が滞るので、シンプルに身体の機能が落ちることでもあります。
むくみ、腰痛のような分かりやすい症状もそうですし、睡眠障害、下痢などあらゆる症状の原因になり得ます。
おわりに
人生で様々なことに悩んできましたが、色々試してみて、実際に体験していく中で、ようやく自分の中でシンプルな答えが見つかりました。
そして変性意識状態、マインドフルネス、心理的安全性など、あらゆる分野の概念が線で繋がった感覚です。
もちろん個々の悩みはさらに複雑に絡み合っているものですが、あらゆる悩みを解決する入り口としては間違いものなんじゃないでしょうか。