フロー状態とは?入り方や瞑想との関係
フロー状態とは
フロー状態は、クレアモント大学の心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏が提唱した理論です。
自分がしていることに完全に集中している状態のことで、フロー状態に入る自分の能力を最大限に発揮することができます。
フロー状態に入ることで、まさに時間が飛ぶような感覚を覚えることができると言います。
フロー状態の効果は?
シンギュラリティ・ユニバーシティによると、フロー状態に入ると、以下のような効果が得られるそうです。
- 創造性・課題学習解決能力が4倍になる。
- 新しいスキルの学習スピードが2倍になる。
- モチベーションが高まる。
- 痛みや疲労が感じなくなる。
フロー状態への入り方
心から行動していること
行動を起こすモチベーションは、次の2つがあります。
- 外発的動機:外から与えられるモチベーション
- 内発的動機:自分の中から湧き出るモチベーション
外発的動機の例は、次のようなものです。
- 褒められる
- 儲かる
- モテる
- (やらないと)怒られる
- 評価が上がる
- 勝てる
ようするに、他の誰かが居て初めて成り立つ動機です。
内発的動機の例は、次のようなものです。
- 楽しい
- 自己効力感がある
- 興味がある
- 成長できる
- 使命感を感じる
フロー状態に入るためには、この内発的動機を元に行動していることが重要であると言われています。
能動的に行動していること
フロー状態に入るには、能動的に行動している必要があります。
たとえば「映画を見る」「風呂に入る」のような受動的な行動では、フロー状態に入りません。
素早く明確なフィードバックが得られること
フロー状態に入るには、良質なフィードバックを得られる環境に置くことが重要です。
これにより環境の変化に合わせてパフォーマンスを調整し、フロー状態を維持することができます。
スキルと課題のバランスが良いこと
フロー状態に入るには、課題を完了する自信が必要です。
反対に簡単すぎても退屈してしまい、フロー状態に入りづらくなってしまいます。
そのため自分のスキルより少し高いレベルの課題に取り組むことが良いと言われています。
行動に集中すること
当たり前ですが、フロー状態に入るには行動に集中する必要があります。
そのためには、別のことに意識を向けてはいけません。
うるさい環境、頻繁に差し込まれる会議などは集中を妨げ、フロー状態を妨げる要因になります。
ストレスを忘れること
不快な感覚に囚われていると、頭の中がそれでいっぱいになります。
これは「ぐるぐる思考」とも言われていて、
- あの人はさっきなんであんなこと言ったんだろう
- 昨日の飲み会でバカにされたのがイライラする
- プロジェクトに選ばれなかったのは評価されてないからかもしれない
などがひたすら頭の中を巡ってしまい、目の前の物事に集中できなくなってしまいます。
フロー状態に入るには、このぐるぐる思考の状態から抜け出す必要があります。
トランス(変性意識)に入ること
トランス状態は、目の前の対象と自己が一体化したような状態です。
トランス状態に入るには、自分に意識が向いてはいけません。
目の前の対象に意識を向ける必要があります。
たとえば、
- 自分はうまくできているか
- 周りからどう見られてるか
は意識が自分の方向に向いています。
自己ではなく、今やっていることに完全に意識を向ける必要があるのです。
フロー状態に入るためにやるべきこと
フロー状態に入れることは、1つの能力です。
そのため鍛えることで、フロー状態に入りやすくなることができます。
環境を整える
フロー状態に入りやすい環境を用意する必要があります。
たとえば「会議まであと何分か」「部下から質問が来ないか」など意識があらゆる方向に向いていると、目の前のことに集中できません。
- アラートを設定して、時間のことは忘れる
- 集中する時間を定め、その間は質問を受け付けないようにする
など、集中できる環境を用意することが重要になります。
瞑想(マインドフルネス)を行う
瞑想は、意識を「今、この瞬間」に集中させることです。
瞑想は、以下のような効果があると言われています。
- 意識を集中させる能力が上がる
- ストレスを下げる
- 本当にやりたいこと(内発的動機)を自分に問いかけることができる
フロー状態に入るための多くの要素が瞑想によってカバーできるのです。
スティーブ・ジョブズをはじめ多くの著名人たちが瞑想を日常に取り入れていると言います。
日常からフロー状態を活かしていくためには、瞑想が大きな手助けになってくれることでしょう。
姿勢を整える
東京大学の池谷裕二准教授によると、姿勢と集中力は密接に関係しているそうです。
悪い姿勢はそれを維持するために余計な力が使われるため、全身へのストレスが増えることになります。
さらに呼吸も浅く、血流も悪くなり、脳の働きも悪くなってしまいます。
そのため正しい姿勢を維持することは、集中するためにも重要なのです。