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恋愛やマーケティングに?人が好きになるものの心理法則

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人は何を好きになるんでしょうか?

人によって好みはそれぞれで、それが分かったら苦労しませんよね。

仕事で好きな商品を買ってもらうことができるし、恋愛で意中の人を仕留めることが出来ます。

しかし人の好みはある法則があるんじゃないか、ということも立証され始めてきました。

この記事ではそんな心理学的に立証された法則から、人は何を好きになるのかを科学的に解説していきます。

人は関われば関わるほど好きになる

アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが1968年に「単純接触効果」というものについて論文にまとめました[a]。

これは繰り返し接することで好意度や印象が高まるというものです。

これはザイアンスの単純接触効果、ザイアンスの法則とも言われ、人間関係においては熟知性の原則とも言われます。

非常にシンプルながら効果の高いテクニックで、古い研究ですが今も良く使われるものです。

例えば大企業で商品名を連呼するだけのCMが打たれるのもこの単純接触効果を狙ったものだったり、実際のマーケティングでもこの効果を意識して行われることは多々あります。

繰り返し接することで好意度や印象が高まる

対象を認識している必要はない

この単純接触効果で注目すべき特徴は、仮に認識していない人であっても何度も繰り返し会っているうちに好感度が上がるということです。

ビッツバーグ大学の心理学者リチャード・モアランド教授は学生たちに好みの女性について調査をしました。

調査は単純なもので、4人の女性の映った写真を見せ、それぞれについて魅力的だと思うか、友達になりたいかなどの質問をするというものです。

ただこの実験では、学生たちに知らせずにその女性たちを講義の中に紛れ込ませていました。

そしてAの女性は一度も講義に出ず、Bの女性は5回、Cの女性は10回、Dの女性は15回と出席日数を変えさせました。

結果として出席日数が多いほど好感度が上がるという結果になりました。

さらに学生たちにこの女性を見たことがあるかと尋ねたところ、見たことがあると気づいた学生はほとんどいなかったそうです。

つまり、単純接触効果は本人が気づかないところで引き起こされるものなのです。

本人が認識してなくても、繰り返し接すると好きになる

「似ているものが好き」も単純接触効果

ペンシルベニア大学の統計者たちが、人の名前について統計を取りました。

その結果、ハリケーン・カトリーナのあとはカトリーナに音の響きが近い名前がよく名付けられることが分かったのです。

ハリケーンは好ましいものではありません。

したがってカトリーナという名前は印象が悪くなってしまい、その名前がつけられる割合は減少してしまいました。

にも関わらずカトリーナに音の響きが近い名前が多くつけられたのです。

それはカトリーナが連日メディアで報道される中で単純接触効果が高まり、それに近い名前に対しても単純接触効果が働いたからです。

つまり単純接触効果はそのものだけでなく似ているものにも作用するというわけです。

繰り返し接すると、それに似ているものも好きになる

自分の好みは単純接触効果の積み重ねである

「父親と似ている人を好きになる」「兄弟が流している曲の好みに影響された」なんて話よくありますよね。

「こんな理由でこれが好き」なんて理由は結局後付けのもので、結局のところ人の好みは単純接触効果の積み重ねがほとんどであるとも言えます。

好きな色にしても、その色をたまたま目にすることが多い環境で育っただけかもしれませんね。

人は関われば関わるほど飽きがくる

関われば関わるほど好感度が上がるのであれば、人は同じものに関わり続けることになりますよね。

それでは、人は同じ場所に住んで、同じ飲食店に行って、同じものを食べて、同じ行動を取るのでしょうか。

いえ、そんなことありませんよね。

なぜなら人には飽きが来るからです。

ドーパミンが飽きを握るかぎ

人間の心は脳内ホルモンによって左右されています。

その中の1つ、ドーパミンはやる気を生み出す脳内ホルモンです。

ドーパミンを生み出す回路は報酬系と呼ばれ、ドーパミンを得るために人間は行動を起こします。

だからドーパミンが行動の原動力でありやる気の元であるわけです。

そして予想と現実の差分がドーパミンを生み出すことがわかっています。

例えばデートのたびにプレゼントを渡す男性と今まで全くプレゼントをくれなかった男性、どちらからプレゼントを貰ったときより嬉しいでしょうか。

おそらく後者だと思います。

なぜなら前者はプレゼントをくれるという予想通りの現実なのに対して、後者は来れないという予想に反した現実です。

したがって後者のほうがドーパミンが出るわけです。

つまり何度も同じ刺激を受けることにより物事が予想通りに進むようになってしまうと、ドーパミンが生み出されづらくなっていきます

同じ刺激を受け続けていると、次第に飽きてくる

刺激の複雑さによる飽きの違い

飽きいつ来るかは刺激の複雑さによって変わってきます。

例えば毎日同じものを食べていると飽きはすぐ来ますが、自分の配偶者に対して飽きることは少ないです。

なぜなら後者は変化が大きく、毎回異なる体験になることも多いからです。

一方で刺激が複雑だと単純接触効果が働きづらくなります。

毎回刺激が異なると、それに対する慣れにも時間がかかってしまうからです。

つまりシンプルなものほど受け入れられやすくすぐ飽きが来て、複雑なものほど受け入れられるのに時間はかかるが長続きするということになります。

シンプルなものほど飽きやすく、複雑なものほど飽きづらい

人が好きになるものの法則

これまでの話をまとめると、人は同じものに対して心地よさを覚える一方で、目新しさを追い求める矛盾した感情があります。

それではどのようなものを人は好きになるのでしょうか。

ディーン・シモントがクラシック音楽を調査した結果、どこか似た旋律を持ちながら同時期の他の楽曲と十分に異なる曲に人気が出やすいことがわかりました。

つまり心地よさを覚えるほど知っている何かと類似性がある一方で、新しいと思えるほどの目新しさがあるものを人は好きになります

馴染みのあるものに似ているけれど、ちょっと違うものを人は好きになる

人はちょっと違うものを選びやすい

これは好みの問題だけでなく、意思決定もその傾向が出てきます。

ジョーナ・バーガーらは大学のキャンパスに出向き、学生たちに好みについて調査しました。

質問自体はシンプルなもので、「グレーのメルセデス・スポーツ・セダン」「ブルーのメルセデス・スポーツ・セダン」「グレーのBMWクーぺ」「ブルーのBMWクーぺ」の4択から選ぶというものでした。

半数にはそのまま回答してもらい、残りの半数には前の人の回答が見える形で質問に答えて貰いました。

その結果、後者のグループは前の人の回答とちょっと違う回答を選びやすいことがわかりました。

例えば「グレーのBMWクーぺ」の回答の後には「ブルーのBMWクーぺ」が選ばれやすいというものでした。

これは人と全く違うことをすることに対しての不安がある一方で、他人との差別化を図りたいという矛盾した欲求がさせた行動だろうとジョーナ・バーガーらは考察しています。

まとめ

馴染みのあるものに似ているけれど、ちょっと違うものを人は好きになる
つまり人間社会は変化が大きすぎない範囲でちょっとずつ変化を繰り返していくということになります。

まだ人が馬車に乗っていた頃、車が出来てすぐは受け入れられず「悪魔の乗り物」とまで言われたそうです。

しかし全面に馬のオブジェをつけた車が出来た結果、それが受け入れられ社会に広まっていったそうです。

時代の流れは早く何が流行るか予想もつかない現代ですが、この法則を知っていると未来を予測する指針になるかもしれませんね。

参考文献

a: Zajonc, Robert B. (1968). “Attitudinal effects of mere exposure”. Journal of Personality and Social Psychology 9 (2, Pt.2): 1–27.
b: インビジブル・インフルエンス 決断させる力